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小保方晴子・STAP細胞ー物語 ブログトップ
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●175 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

175  - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語

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   2022年  Obokata Haruko

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STAP細胞研究の経緯ー1

「小保方の研究力と洞察力」

 

私の実験系では、ストレス処理後の細胞に待ち受けているのは、細胞死か細胞塊形成だった。

 

この分岐点を左右しているのは、ストレス処理後の、細胞膜の修復の速さにあると考えていた。

 

「細胞膜修復」というキーワードで文献を見ていると、いくつかの因子にたどり着いた。

 

その中の一つにATPがあった。

もともとミトコンドリアに着目していたこともあり、

 

受精後に受精卵の中のATPが急上昇するという報告も、高濃度のATPに晒すと何か変化が起きるのではないかという予感を持たせてくれた。

 

まず、ストレプトリジン0という薬剤では体細胞の細胞膜に穴をあけた。

 

そして、緩衝液が入ったチューブに細胞を戻し、細胞膜を修復するためにATPを添加した。

 

その瞬間、しまった、と失敗を確信した。赤い緩衝液が一瞬にしてまっ黄色になってしまった。

 

細胞を入れた緩衝液にはフェノールレッドという指示薬が添加されていて、フェノールレッドはpH6.6 ~ 8.0程度の範囲で黄色から明るいピンクへと色を変える。

 

細胞培養に適切なpHは7.4付近であると言われていて、その時は赤色を示す

 

失敗を確信したが捨てるにも惜しく、そのまま37℃で20分ATPに晒した後、

チューブを遠心機に入れ、遠心分離によって細胞をチューブの底に沈殿させてATPの入った緩衝液を取り除いたあと、

培養液に細胞を移し培養庫に入れた。

 

それから一週間後、どうなっているだろいうか、と観察してみると、そこにはこれまで見たことがないほど明るく緑に光る細胞塊が浮かんでいた。ー図

 

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●176 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

176  - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語

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   2022年  Obokata Haruko

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STAP細胞研究の経緯ー1

「小保方の研究力と洞察力」

 

細胞内のpH制御は生命維持に重要な役割を果たしていると考えられていて、

細胞に含まれるさまざまな細胞小器官の内部はそれぞれが固有のpHを有している。

 

その生理機能を保つため、細胞を扱う実験には、一定のpHの範囲内では、酸や塩基を加えた時に、

pHの変化が小さくなる作用である緩衝能を持った緩衝液が汎用的に用いられてい

 

ATPを加えた直後の緩衝液の黄色さは、

細胞小器官のそれぞれが適正なphを保ちながら生存している体細胞にとって酸処理という十分なストレスを与えてくれているように思われた。

 

そのため、ストレプトリジン0処理をした後にATPに晒した細胞と、ストレプトリジン0による処理を行ずにATPに晒すだけの処理をした細胞を同時に培養をして結果を比較することにした。

 

一週間後、結果を見るとストレプトリジン0処理をしなかった細胞も緑に光る細胞塊を形成していた。

 

こうしてATPに晒すだけで緑に光る細胞塊の創出が可能になった。(確実にOct4陽性細胞を創出する方法を確立)ー図

 

 

tamatabi20221108

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●177 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

177  - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語

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   2022年  Obokata Haruko

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STAP細胞研究の経緯ー1

「小保方の研究力と洞察力」

 

確認のために何度も同じ実験を繰り返し行い、強く緑に光る細胞塊が最も多くできた回のATPを添加した緩衝液のpHはpH5.7だった。

 

用いていた緩衝液の緩衝能の範囲がpH5.7付近に適していなかったこともあり、

 

どんなに条件を揃えても、

緩衝液の量の数マイクロ以下の差や、

添加する微量のATPの小数点以下の量の差、

ストレスによって溶解する細胞の数の微妙な差によって、

 

緩衝液のpHは変化した。

 

ピタッとpH5.7で定めることは難しかったが、毎回pH5.7~pH5.8の間に収まり、この間にあれば緑に光る細胞塊が観察された。ー図

 

 

tamatabi20221108

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●178 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

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   2022年  Obokata Haruko

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STAP細胞研究の経緯ー1

「小保方の研究力と洞察力」

 

こうして培養系ではストレス処理後にOct4陽性細胞ができてくるが、このような細胞の変化が生体内でも起こりえるかどうかにも興味を持った。

 

細胞の集合体として生きている個体は、分離された個体とは異なり、細胞同士が相互に助け合いながら、一つの生命体を維持している。

 

このような細胞の相互作用によって、生体内では生体外とは異なるストレス処理後の細胞の挙動が観測されると予想していた。

 

一方で、組織の修復・維持を担っているとされる生体幹細胞はニッチェと呼ばれる呼ばれる特定の場所に存在していて、

 

外傷などで組織が損傷した場合には、ニッチェから生体幹細胞が移動してきて組織の修復・維持を行うと考えられている。

 

しかし、損傷した、つまりストレスがかかった体細胞自身が

生体内で幹細胞化する可能性を示すことができれば、

組織の修復・維持のメカニズムに関して新たな知見をもたらす可能性を秘めていた。ー図

 

tamatabi20221109

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●179 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

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   2022年  Obokata Haruko

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STAP細胞研究の経緯ー1

「小保方の研究力と洞察力」

 

そこで、生体内で損傷した部位にOct4陽性細胞が生み出されるのかを観察するための実験も開始した。

 

一つ目は、外傷モデルを作成して、マウスの胚や足の筋肉に外傷を与え、その部位にOct4陽性細胞が現れるかを観察する実験だった。

 

この筋細胞に損傷を与える実験系では、

正常な筋細胞は特異的な形状を有しているために、損傷後の細胞形状の変化が捉えやすく、細胞質の変化も捉えやすいという利点を有していた。

 

外傷部に培養系でできた細胞を移植し、幹細胞として働くかを調べる実験のための、未移植のコントロール実験として行われた。ー図

 

  

tamatabi20221109

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●180 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

180  - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語

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   2022年  Obokata Haruko

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STAP細胞研究の経緯ー1

「小保方の研究力と洞察力」

 

二つ目は、逆流性食道炎モデルを作成して、マウスの食道に胃酸によるストレスを与え、食道にOct4陽性細胞が現れるかを調べた。

 

生体内で酸によるストレスで起こる細胞変化を観察するために考案した実験系だった。

 

結果的に外傷モデルでも逆流性食道炎モデルでも、生体内でストレスがかかった部位の組織には、Oct4陽性細胞が観察された。

 

これらの実験結果は興味深いものだったが、

ストレスがかかった組織に観察されたOct4陽性細胞が、

 

幹細胞として組織修復に関わるのかどうかは、この時点では追跡することができず、将来続きを行うのが楽しみな研究テーマの一つとなった。ー図

 

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●181 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

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   2022年  Obokata Haruko


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STAP細胞研究の経緯ー1


「小保方の研究力と洞察力」


 


培養系での実験では全身の細胞種、たとえば脂肪や筋肉や肝臓や脳などから細胞を採取し、実験を進めていたが、


 


組織は細胞が結合して構成されているため、組織から細胞を分離する段階で、どうしても酵素処理などの若干のストレスが細胞にかかってしまう。


 


 


細胞分離の際にストレスがかからなくて、変化がわかりやすい細胞種を一つ選ぶ必要があると考えていた。


 


そこでもともとバラバラである血球細胞を実験に用いることを思いついた。


 


脾臓中に含まれる、もともとバラバラのリンパ球にストレスを与え、Oct4陽性細胞に変化していくまでの過程を追う実験を考え、少しずつ実験を進めていた。


 


ストレス処理後の細胞の変化過程を追うために、若山研の研究員の方々に協力してもらい、細胞の培養過程を連続して撮影できる実験機材を使って、


 


ストレス処理後の体細胞がどのように変化しているかを15分おきに撮影して連続した動画を作製するライブセルイメージングと呼ばれる実験を行った。ー図


  


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●182 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

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   2022年  Obokata Haruko

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STAP細胞研究の経緯ー1

「小保方の研究力と洞察力」

 

蛍光を用いた細胞の観察は、使用される蛍光色素や蛍光タンパク質が特有の蛍光発光の波長を有していることを基本原理として利用している。

 

一般的な蛍光顕微鏡はフィルターを切り替えることによって、検出できる蛍光発光の波長を限定する。

 

たとえば、GFPは緑色の蛍光発光の波長を有しているので、緑のフィルターでは蛍光を観察できるが、赤のフィルターでは観察することができない。

 

ところが、細胞は死ぬ過程で自家発光と呼ばれる光の自然放出を起こすことがある。自家発光は波長が限定されず広範囲の波長を発しているために、

 

GFPを発現していなくても緑のフィルターを通してみると緑に光っているように見え、赤いフィルターを通して見ると赤く光っているようにも観察される。

 

つまりGFP陽性になった細胞は、緑のフィルターを通してしか観察されないが、自家発光を放つ細胞は緑のフィルターと赤のフィルターどちらを通しても観察される。ー図

  

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●183 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

183  - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語









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   2022年  Obokata Haruko


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STAP細胞研究の経緯ー1


「小保方の研究力と洞察力」


 


自家発光とOct4陽性になった細胞のGFPによる緑の発光を見分けるために、


明視野で細胞の形態を観察しながら、緑のフィルターと赤のフィルターの双方を用いて撮影を開始した。


 


また、死細胞が赤い蛍光発光を放つ試薬を培地に添加して、


明視野で細胞の形態を観察しながら、緑のフィルターでOct4陽性細胞を検出し、赤のフィルターで死細胞を検出する撮影も行った。


 


若山研の研究員の協力を得て、これらの映像を解析すると、ストレスをかけた後、自家発光ではなく緑にのみ光る細胞の存在を確認できた。


 


また赤く光る死細胞とOct4陽性となり緑に光りだす細胞を明確に見分けることができた。ー図


  


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●184 - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語 [小保方晴子・STAP細胞ー物語]

184  - 小保方晴子のSTAP細胞騒動・物語

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   2022年  Obokata Haruko

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STAP細胞研究の経緯ー1

「小保方の研究力と洞察力」

 

特に興味深かったのは、細胞分裂をすることなく細胞が小さくなり緑に光りだす現象を捉えることができたことだった。

 

ips細胞の作成過程では、体細胞のエビジェネティックスの解除は、培養中の細胞分裂の過程で徐々に起こることが報告されている。

 

つまり、体細胞の初期化のためには細胞分裂が必要と考えられている。

 

しかし、ここで見られている現象は、細胞分裂を必要とされずに細胞の初期化が起こっている可能性を示唆していた。

 

ips細胞の作成過程で起こる初期化とはまったく異なるメカニズムによってOct4陽性細胞ができてくる可能性を示したこの実験結果から、

 

ストレス処理後に起こる細胞の変化過程に対する私の興味はさらに強まった。ー図

 

tamatabi20221112

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